デフレの正体を読んで

話題作なので、あまり興味はなかったが購入しました。

読み始めでは、全体の数字だけを見て景気が悪いだ、良いだとか左
右され過ぎなのでは? と言う切り口で解説しています。
確かに、自分もGDPが悪いから景気が悪いと考えていたが、何故と
聞かれるとGDPが悪いから景気が悪いとしか答えられん。
123456789012345678901234567890
著者は、GDPの数字も大切だか、その中身の数字を把握しないと本
当の理解は出来ないし、対処も出来ないと言っており身体の調子が
悪いと言っても、何処が調子悪いか理解しないと対応も出来ないと
考えている。

正直、成る程と思いましたね。
GDPが、悪いで終わってしまっている事で完結している自分には勉
強になりました。
また、バブル時代より貿易黒字が倍になっており、それで何が不景
気なのか本当に数字を見ると解らなくなりますわ。

その数字の中で、大阪府は47都道府県で一番個人所得が低下して
いる現実がある。
余程、青森県の方が好成績である。 47都道府県で、九十年代と比
較すると個人所得と小売販売額伸び率トップは沖縄県である。
失業率が高く所得が一番少ないと言われている県がである。

重要なのは、そんな数字ではなくて、現役世代人口が増えたか、減
ったかであると著者は言っている。
高齢者が一番増えているのは、大阪府で、関東圏の一都三県も七万
人もの現役世代人口が減少している。
実は一番高齢化に悩されているのは、都会である。

また景気が良いから物が売れるはもちろんだが、人口が多いから消
費が増えると言う単純な答えを訴えているように思いました。
自分も、ただ景気の浮き沈みだけに捕らわれていました。
団塊の世代の限られた消費が景気が良いと考えていました。

ある一定の期間の消費に対して、不動産も景気が良いから売れてい
ると思い、住宅地の開発を次々行っていく。
確かに破綻するわな。
人口が減少している日本では二度と以前のような需要は見込めない
だろうな。
また、2025年には、高齢者が2167万人の予想で、0歳から
64歳迄が7096万人。
同じく、2050年には、高齢者が2373万人の予想で、0歳か
ら64歳迄が4930万人。
実際の数字と恐らくそんなに大差はないだろう。
これは本当に恐ろしいですわ。

著者は、日本の内需を拡大するには高齢者の貯金を若者に回すこと
により消費が拡大し、結果企業が潤い若者の給与が増えて、また消
費が拡大する事が解決の一つだと説明している。
高齢者の預金は消費されることなく死んだお金であり、それをどう
使うかの重要性を語っている。
あまり考えて事がなかったが、確かに内需を拡大するには良い方法
だと思う。
また、高齢者が消費をしてくれる方法を企業は真剣に考える必要が
ありますね。

他にも問題点だけの指摘だけでなく、それに対しての解決策も語っ
ています。
自分には非常に賛同出来る意見が多いですが、年金の問題解決に関
しては賛同出来ませんでした。
著者の解決策では、頑張った人に不満が残ります。
しかし、じゃあどうすると言う具体的な方法を提示出来ないので偉
そうな事は言えません。
不景気だからと言う言葉で終わらせていましたが、その理由がとて
も良く理解出来ました。